トップページ深川おさんぽ>明治丸

 ■ 明治丸(2006年3月)


 東京海洋大学の構内には、国の重要文化財に指定されている明治丸があります。現存する日本最古の鉄船で、明治7年に燈台巡視船として建造された後、明治天皇の東北巡幸に使われたり、琉球王国最後の王・尚泰が「琉球処分」の際上京する際に使われたりしたそうです。

 なんでそんなに多目的で使われたかというと、当時は他にいい船が無かったからだそうです。最もその後いろんな船が造られ、明治20年以降は本来の業務である燈台巡視船として使われ、明治29年には容量不足から商船学校へ譲渡されたそうです。
 元々は2本マストの船だったのですが、譲渡後は練習用ということで3本マストに改装されたそうです。

 ちなみに上の写真2枚は明治丸の全景(前後)、左の写真はいかりですね。それでは明治丸に乗り込んでみましょう!

 まずは甲板から。3本マストがよくわかるでしょ?真ん中の1本が、後から付けたものだそうです。この日は昔この船で訓練を行った方が、ボランティアでいろいろと教えて下さいました。勝手に見てまわるのと違って、いろいろ話を聞けて面白かったです。

 こちらは甲板最後部にある舵です。帆で走る場合は、ここで操舵したのだそうです。

 甲板にあった個室。何の部屋だったか、聞いたのですが忘れちゃいました…

 こちらは、船首近くにある操舵室。一番上の、窓が5面並んでいる部分がそうです。中に入ってみましょう。

 こちらが操舵室。この帆船はエンジンも積んでいて、動力で動くときはこちらを使っていたそうです。帆走の場合は帆の様子を見る必要があるから、船の一番後ろなんですって。

 真ん中をよく見ると、方位磁石があります。これで方位を確認するわけですが、鉄船ということもあって、磁石に影響しますよね?それを調整するのが、左右にある丸い鉄球です。この位置を微妙にずらして、方位がきちんと表示されるように調整したんだそうです。職人芸というか、すごい世界ですね。

 操舵室から見た様子です。向こうに豊洲の高層ビル群が見えます。船から見える景色も様変わりしたことでしょうね。

 振り返って、甲板を眺めたところ。黄色い筒の先に、赤い丸いものがついているもの、あるのがわかります?これ、船内への空気取り入れ口なんだそうです。船の前を向いているのは、効率よく空気を吸い込むためなんだそうですよ。

 こちらはいかりの巻き取り機。基本は動力で巻き取るのですが、演習ではエンジンが故障したときのために、手動で巻き上げることもしたそうです。重いいかりを上げるのに、歯車ひとつずつ地道に進める作業を行ったんだそうです。いかりの重さは何トンって言ってたかな?すごく大変そうです。